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父の百か日

 今年の信州の紅葉は少し色づきが芳しくない。初秋の10月に例年より暖かい日が続き、あまり冷え込むことが無かったせいである。11月の中旬には色鮮やかな紅や黄色に着飾った木々が山肌を覆うのだが、既に茶色に枯れ萎んだ葉が色づく前に散ってしまっている木々があちこちにみられる。去年の今頃、病床の父に見せようと、伊那谷から木曽谷の紅葉を写真に撮って回ったことを思い出す。先日、母の一周忌と父の100か日の法要を同時に済ませた。

 去年の紅葉は確かに今年よりも色鮮やかで、アルプスの峰々を覆う雪も白さが深かった。決して上手くはない写真だが、気に入ったものをアルバムにして、父を見舞った。父は既にベッドから自分で起き上がることは出来なくなっており、母の死がさらに父の気力を萎えさせていた。冬が明け桜の季節になったら駒ケ根で一緒に住もう、それまでに長途の移動ができるように元気になって欲しいと父を励まし、撮った写真の一つ一つの風景を話して聞かせた。

 年が明け一時は回復するかに見えたが、桜前線が九州から信州へと北上するに連れ、体の容態は悪化して行った。しかし駒ケ根に行きたいという想いは父の中に募っていったようで、時折訪れる孫娘に私の迎えはいつになるのかを聞き取れない言葉で尋ねていたという。

 6月に再入院した父を病床に見舞った時、胃瘻に繋がれた父は既に言葉を発することが難しくなっていた。1週間の間毎日病室でできるだけの時間を共にしたが、駒ケ根のことは言い出せなかった。それが無理だということを父も十分に理解していたはずだから。駒ケ根に帰る日ベッド脇でやっと言った、早く駒ケ根にお出で、父さんの部屋も出来上がっているから、と。それまで苦痛に顔を歪めていた父は、私の目をじっと見つめ、目を細め顔中で作れるだけの笑顔を作り私に向けた。そして、うんうんと頷いた。それが生きた父を見た最後だった。
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成年後見相談会

 先日11日に上伊那地区の成年後見相談会に相談員として参加した。主催は長野県社会福祉協議会および長野県成年後見関係団体連絡会で、県下10カ所で一斉に開催された。上伊那地区は伊那市社会福祉協議会の共催で実施された。相談員としては、弁護士、司法書士、社会福祉士、税理士、行政書士および介護福祉士のそれぞれの専門分野で活躍されている専門職の方々である。毎年11月11日介護の日のイベントとして開催されている。

 一般市民の方からの相談が4件と、地域包括支援支援センターや障がい者支援センターの担当者からの今困っている事例に関する相談が持ち寄られた。私は一般市民の方からの相談を2件、司法書士の方とチームで相談を担当した。その一つは認知症で高齢の妻の治療費のために簡易保険や預貯金の処理のために年後見人が必要となり、夫である自分が後見人となるつもりだが、自分がなれるのかどうかという心配とその申し立てや後見人としの事務がどんなものかなどに関するご相談であった。

 相談内容としては難しいものではなかったが、奥さんは医師の話の内容から余命はそう長くはないようで、長年連れ添ってきた奥さんを思う心情が言葉の端々に滲み、時には涙声でのご相談であった。主に対応された司法書士の方の対応は実に細やかで、成年後見に関する一連のことを単に説明するだけではなく、急激に悪化した奥さんを思いやるご主人の不安に満ちた気持ちに寄り添い、できるだけその方の心が落ち着けるように時にはユーモアを交えながら、丹念に時間を掛け相談を受けておられた。相談が終わり礼をして帰るご相談者は、少なくとも成年後見という未知のものに対する不安は薄らぎ、少し元気を取り戻して帰られたようである。

 成年後見相談会の相談員として初めての経験であった。想定される相談に対し模擬相談会を自宅でやり準備をした。実際の相談件数は多くはなかったが、事前の準備も含めて相談を受けるということはおおいに自分の勉強になる。またそれにも増して他の職種の専門職の方々と知り合いになれるということが自分の財産になる。このような機会は今後とも積極的に参加し、またより多くの一般市民の方々に相談会のことを知ってもらうように自らもその事前準備に参画していきたいと思う。
プロフィール

ちろりん村村長

Author:ちろりん村村長
衛藤史朗です。
九州で生まれ、東京でサラリーマンをやっていました。定年とともに信州駒ケ根の地に移り住み、ここを終の棲家として、成年後見活動を柱に地域福祉の増進に貢献する所存です。
趣味は剣道。

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