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雑誌「現場主義」創刊号

 雑誌「現場主義」創刊号がいよいよ発行された。当初3人の仲間のお酒の場で、ひょうたんから駒のような一言で始まった雑誌発行の話が、昨年の準備号の発行を経て多くの仲間の賛同が集まり、手弁当で編集活動を申し出られた方々、原稿料無しでも快く寄稿してくださった全国各地で活躍する仲間の熱い思い、それらが渦となってこの創刊号を世に送り出した。約50ページのやや薄い雑誌ではあるが、その心地よい重さが両手を伝って全身に浸みわたってくる。

 創刊にあたっての言葉、それを要約するとこうなるのか。
 「社会福祉士とは、本来、自律性の高い専門職のはずである。しかし、その実態はどうか?社会の急速な変容は、多くの福祉的ニーズを生み出し、ニーズが複合化・複雑化する中で、従来の制度やサービスだけでは対応できないケースや制度から漏れ出るケースを数多く生み出してきた。既存の制度やサービスに軸を置く“勤務型のソーシャルワーク”の業務では追いつかず、その限界を露呈させる場面も多くなってきている。そこに“勤務型”とは違う立場で“地域を基盤として独立した立場でソーシャルワークを実践する者”たちが現れた。“独立型社会福祉士”と呼ばれる。
 私たち“独立型社会福祉士”の実践は、日本においては未知の分野といってもよく、社会的位置づけも弱い。したがって、その道に制度化を求めたり、仲間の間で一般化して共通認識を得たりすることもあろう。また、個人の技量として蓄積させ公に議論を図ることも必要になろうが、それらを丁寧に本誌の中で拾い上げていきたいと考える。なぜなら、私たちの前にクライエントという、現実に苦しみニーズを持つ人々が大勢いるからである。
 そしてそれを独立型社会福祉士だけではなく、本来のシーシャルワーカー、あるいはソーシャルワーカーたらんとする者たちにも届けたいと考える。またそれだけでなく、ソーシャルワーカーとはどんな人たちなのか、何をする人たちなのかを世に発信し、社会の評価を仰ぐとともに自らを省みる冊子にしたいと思う。」

 先日の1月28日・29日に独立型社会福祉士全国研究集会が東京で開催され、全国から300名近い仲間が集まった。そして会場入り口で来場者全員に一人ひとり手渡しでこの創刊号をお渡しした。研究集会では、東日本大震災に関するテーマが取り上げられ、この大震災が人々に家族とは幸せとは絆とはという、人としての価値観のありようを投げかけたと共に、それとは裏腹に無縁社会で孤立する人々をこの震災はさらにそれを広く深く進行させているという現実を確認させられた。そしてそれでもなお、自分の住む地域に拘り、そこに住む認知症高齢者のケアに拘り、「ふくし:ふつうに くらすことのできる しあわせ(風のささやき代表永島氏の言葉)」を誰もがふつうに感じられるようにと、小さくとも一歩ずつ確実に歩を進めている独立型社会福祉士の仲間たちがいることも確認することができた。

 我がちろりん村はそれら先達の方々に比べると、小さな一歩どころかまだまだである。しかし、新たな土地で新たな人々の中に交わり、成年後見という一つの切り口から地域への働きかけを深め、そして住み慣れた土地で自分らしく住み続けられる、そんな地域づくりをみんなでしていきたい、という思いは多くの独立型社会福祉士仲間と共通していることを再確認できたことは有意義なことであった。

 今週土曜日から陸前高田にボランティアに行く。がその前に、隣の農家のおじいさんに、地元の老人クラブへの入会(自分にも入会資格がある)を依頼しよう。
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後見制度支援信託

 1月26日、後見制度支援信託について長野家庭裁判所と長野県社会福祉士会との意見交換会があり、出席した。この支援信託は、一昨年の末に最高裁判所より平成23年4月から導入することがリリースされたが、日本社会福祉士会も含めて各職能団体から拙速な導入に反対する意見書が出され、その導入が見送られている。平成23年5月から最高裁と日弁連、リーガル・サポート、日本社会福祉士会との合同協議が重ねられ、一定の合意が得られたとして、各職能団体からかなりの条件付き(日弁連は原則反対)ではあるが導入に協力するとの声明が出されたのが昨年10月~11月である。以来各県の家庭裁判所が、各職能団体の支部との意見交換会を実施しており、その一環として持たれたのが今回の会合である。

 この支援信託は、増え続ける親族後見人による被後見人の財産侵害(平成23年の10か月間で判明した不正は182件、被害総額は18億円強)を防止することを目的に検討されたものである。従って被後見人の財産を如何にして保護するかに主眼が置かれている。後見人による不正を如何に防止するかは成年後見制度の健全な発展のためには極めて重要な課題であるが、最高裁と信託協会との間だけで短期間に練り上げられたこの支援信託は、被後見人の財産を家庭裁判所の管轄のもとその使途を厳重に監視する言わば財産の塩漬けであり、さらに家庭裁判所による後見人の監督責任を放棄するものというイメージで伝わったとも言えよう。その結果これに対し各職能団体は、この支援信託は成年後見制度の本来の理念である「ノーマライゼーション」「自己決定の尊重」「現有能力の活用」を没却するものであるとして反対声明を出した。爾来その導入は見送られたままであり、先の意見交換会でもまだその全体スキームや導入時期は未定とのことであった。

 最近多くなったとは言え成年後見制度がマスコミに載る機会は極めて少ない。その数少ない機会の中で出てくるのが、残念ながら後見人による不正事件である。それも専門職による第三者後見人の不正事件は世間の耳目を集める。それはそれで大きな問題だが、数ににして圧倒的に多いのが親族後見人による不正であり、家庭裁判所はその監督責任を大きく問われている。その親族後見人に関する情報は家庭裁判所のロッカーと法務局のデータベースにのみあり、それは一般に解放される性質のものではない。全国に10万人以上はいるはずの親族後見人の実態を最高裁判所や家庭裁判所はどのように把握しているのであろうか。

 ここに一つの報告書がある。東京大学医学系研究科により平成23年3月に出された「親族後見人が抱える業務上の課題に関する実態調査」というものである。多くの苦労の末介護関係者の協力を得て抽出され協力を得られた親族後見人40人に対するヒアリング調査の結果である。そのまとめに、「(世の中に埋もれている親族後見人)それは総じて後見の知識が無く不安で孤独であるという印象を持った。」とあり、「このような本来指導を必要とする親族後見人に対しどのようにアプローチするかが課題であり、親族後見人に業務上横領をさせないためにも、財産管理や身上監護に関する監修や相談の機会が求められている」、と結んでいる。

 後見制度支援信託は最高裁判所の言うように、「不正防止という観点からの新たなオプション」として位置づけられ得るものではあると思う。しかし、これらオプションを如何に多く揃えても、親族後見人の不正防止に対しての根本的解決にはならない。いつのまにか不正に手を付けてしまう機会に囲まれている親族後見人を一人きりにさせないことが大切である。10万人を超え今後益々増え続ける親族後見人に対しては、全国規模の公的支援体制が必要なのでないかと意見交換会で発言したが、しかしそれは、法律的に白黒をつけることが任務である司法に担って貰うものとは性質が違うのではないかとも思った次第である。

積小為大

 新たな年が明け半月が過ぎた。信州駒ケ根に移り来たのが昨年の東日本大震災の直後の3月15日、それから早くも10か月。飯田市での南相馬市からの避難者への生活相談支援、社会福祉士事務所の開業と地元へのPR活動、合間を縫っての(いやこれの方が主だったか)土間やウッドデッキ、囲炉裏など新居の残った造作、薪の備蓄、畑や田んぼの野良仕事。忙しいのか暇なのか、自分でもよく分からないうちに一年が過ぎようとしている。

 社会福祉士事務所としての事業活動は、まだまだ本格軌道には乗っていない。初年度の収入は、飯田市での仕事以外では、ほとんどゼロと言っても良いであろう。それでも、年末に市内の認知症グループホームのケアマネさんからのお話で成年後見申立支援の契約が1件と、隣村の特養の施設長からの依頼で成年後見申立と後見人受任の案件が1件寄せられている。どちらも、事務所PR訪問活動をきっかけにお話しを頂いたものである。そのきっかけの一つ一つを大切にしたい。

 成年後見活動は地域を変革する活動に繋がっていく。たった一人の被後見人の方であれ、その思いを汲み上げようとすればするほど地域への働きかけなくしては、それは遂げられない。だから、成年後見活動は地域の変革活動に収斂して行かざるを得ない。と、自分は成年後見をそのように捉えているのだが、現実そんな大きなことが自分にできるのかどうか。

 今日午前中、近くの通所介護施設にボランティア活動のため初めて訪問した。近在のお年寄りが20人ほど来られ、その輪の中で一緒に過ごさせて貰った。約2時間、歌やゲーム、軽体操などで一緒に遊んだ。心地良いひと時であった。これから土曜日の午前、時間の許す限り訪問することとした。身近なところで一つ一つ、身近な人たちに向かい合う、そこからしか自分にはできないような気がする。小さなことの積み重ねが大きな実のりをもたらす、二宮尊徳の「積小為大」、この言葉が好きである。来月5日から1週間、陸前高田市にボランティアに行くことにしている。
プロフィール

ちろりん村村長

Author:ちろりん村村長
衛藤史朗です。
九州で生まれ、東京でサラリーマンをやっていました。定年とともに信州駒ケ根の地に移り住み、ここを終の棲家として、成年後見活動を柱に地域福祉の増進に貢献する所存です。
趣味は剣道。

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